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さて、こうして出来上がった品質システムですが、
(当時の94年版9001は、この呼び方)
余計な規定ばかり増えて、どこに何が書いてあるのか、逆にサッ
パリわからない状態でした。
日常の運用も、似たような様式に、似たような内容を何度も書くと
いうことが繰り返され、周囲からは当然ブーイング。
そんなときでも、我々は、
「これが、ISOの醍醐味だ!」
「苦労して運用してこそ、ISOの価値がある!」
と、わけのわからない弁解で、押し寄せる非難を切っては、捨てて
いました。(不適合が怖かっただけなのですが…)
そんなバタバタが続きながらも、何とか審査当日を迎えることがで
きました。
審査自体は、以外にも、思っていたよりはるかにスムースに進行
し、静かな湖面のような審査に、かえって拍子抜けしたほどです。
審査が終わって、これまでの苦労を走馬灯のように思い返してい
たのもつかの間、審査報告書を書き終えた審査員が、アッサリ一言。
「不適合は2件です」
ナッ、なっ、なに~~~っ!
“不適合ゼロ”運動を展開していた我々に、突きつけられた2件の
不適合… それが意味することは…
せめて観察事項にしてもらえないかと、必死に懇願するもむなしく
我々の不適合撲滅作戦は、あえなく失敗に終わりました。
事情を説明すると、その心優しき審査員は、
「それでは、私の方から社長さんに、ご説明しましょう」とニッコリ。
我々は、クビを洗って最終会議に臨むことになりました。
審査員いわく、
・不適合が、不適合としてきちんと処置(是正)されていれば、審
査登録自体には、何ら影響がない。
・100%完璧なシステムなど存在しない。大切なことは、システムの
不備やムダを見つけて、それを改善していくことであり、それによっ
てシステム全体のパフォーマンスが向上する。
・この年末に発行される2000年版では、この考え方が色濃く反映
されている。
そんな、内容だったと思います。
…おかげさまで、我々は社に残ることができました。
それにしても、これまでの我々の苦労は一体、何だったのでしょう?
「詳しく書いておかないと、審査のときにツッコまれるぞ!」
「とりあえず書いておけば、不適合にはならんだろう…」
我々に残されたのは、こうして出来上がった、一挙手一投足まで
がんじがらめの、莫大な量の文書でした。
ISOは、自分たちの仕事をサポートするツールだ
という認識があれば、こんな事態にはならなかったでしょう。
“自分がお客様にコンサルをするときには、同じ轍は踏むまい。”
“小さい会社でも、無理なく運用できる、シンプル・スリムなISO”
を目指す。
そう固く誓いをたてました。。
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