A9.基本的に変える必要はありません。
ISO9001は、仕事の品質を徐々に向上させていく仕組みです。
ISO14001は、仕事を進める過程において生じる環境負荷を徐々に低減させていく仕組みです。
そして、どちらも、仕組み自体の精度を徐々に引き上げていくことが求められています。
(これを、ISOの用語で、“継続的改善”といいます。)
したがって、最初の取得の段階では、合格点をちょっとクリアーするくらいの仕組みを作ればいいわけです。
ところが、こういう事情を知ってか、知らずか、減点項目(不適合)が出ないような完璧な仕組みで審査に臨もうとして、やたらと過剰な装備をつけたがる会社さんが後を絶ちません。
一分のスキもないような仕組みを作ろうとするのです。
もちろん、ISOの審査は初体験でしょうから、
「もし審査が通らなかったら…」という不安に駆られるのも、原因です。
しかし、もっと厄介なのが、そのような完璧な仕組みを作るよう指導するコンサルタントの存在です。
彼らの多くは、上場企業(大企業)で、ISOの管理責任者を務めていた経歴があります。
そして、その多くは、生産部門から抜擢された後は、専らISOの管理業務のみに従事してきました。
従って、人事考課においても、不適合が発生しないような仕組みを維持すればするほど、高く評価されたのです。
その結果、彼らの中には、“ISOはかくあるべき”という独自の価値観が形成されているのです。それも大企業でしか実現できないようなことばかりです。
ですから、コンサルタントから、現状の社員さんで可能なレベルをはるかに超える要求を突きつけられたら、
「それは、本当に必要なことか? 規格に書いてあることなのか?それができなければ審査に通らないのか?」
をしつこく聞くようにしてください。
きちんとしたコンサルタントであれば、この辺りは十分わきまえていますので、御社の業務の流れを十分にヒアリングした上で、御社にとって最適な必要最低限の方法を提案してくるはずです。
どちらにしても、御社のこれまでの仕事のやり方に自信をもってください。
そして、その長所を大切にしてください。
御社がこれまで培ってきた仕事のやり方が、御社を現在まで存続させてきたのですから。