A11. 記録をさかのぼって作成するという話は、ちらほら聞こえてきます。
俗に、“USO800(嘘八百)”と揶揄(やゆ)されるISOですから、こういった質問が出てきても仕方のないことかもしれません…(泣)
ISOでは、作らなければいけない書類は、規格にきちんと定められています。そして会社側が独自に必要と判断した書類も追加できます。
しかし、これらの書類は、どういったものを揃えておかなければいけないかを、あらかじめ決めておきますので、
それ以外の書類を新たに作ったり、それを審査の際に見せたりする必要は全くありません。
おそらく、頂いたご質問の“ウソの書類”というのは、以下のことを指しているのではないかと思います。
「作っておかなければいけないISOの記録があったのだが、本業が忙しかったので作る暇がなかった。これから作ろう…」
もっとひどい場合ですと、
「作るのが面倒なので、この仕事はISO上なかったことにしておこう…」
というケースです。
私もお客様から、
「あそこの会社、来週ISOの審査があるから、記録作りに追われて、てんやわんやだって話だよ」
という話を耳にすることがあります。
ISOの世界では、業務の要所、要所で作業の実施記録を残しておくことが求められます。それを作っていなかったということです。
ISOは、問題が起きたこと自体を責めることは、決してしません。
起きた問題に対して、きちんとした改善策を講じていれば、O.K.なのです。
この場合も、
「かくかくしかじかの理由で、記録を作っていなかった。いついつまでに完成させる。」ということを明らかにして、実際にそのようにすれば、審査は何なく通過します。
何も審査前に、慌てて徹夜して、記録を整えることはないのです。
記録作りが審査の後になっても構わないからです。
こういった珍事が起きるのも、やはり完璧さを求めるがあまり、社員さんのレベルを超える仕組みを作ってしまったのが、大きな原因でしょう。
現実とかけ離れた仕組みを作ってしまったがために、現実の仕事とISOの仕事を別々にやるような事態になってしまったのです。
(いわゆるダブルスタンダード)
これでは、社員さんは、たまったものではありません。
2倍働いているようなものですから。
自社の身の丈に見合った仕組み作りが、一番大切なのです。